猫との田舎暮らしをめざして

今年は都会を脱出!

2022-01-01から1年間の記事一覧

うにと私の953日

うにがいなくなってもうすぐ2年 2020年の12月4日にうにが亡くなって、もうすぐ2年が経とうとしています。 今でも、毎日のようにうにを思い出します。猫に関しては全くの初心者であった私にとっては、賢いうにに教えてもらうばかりの日々でした。 うにの闘病…

うにのいない家

喪失感におそわれて うにが旅立ってからの家の中は、びっくりするほど静かだった。それなのに習慣とは恐ろしいもので、私は、まだうにの姿を知らず知らずのうちに探していた。うにと一緒に寝ていた布団を片付け、自分のベッドで眠るようになっても、うにが私…

うにとのお別れ

いよいよ獣医さんへ 獣医さんの診療所までは、歩いても10分かからない距離だ。それでも夫が付き添ってくれるというので、うにを車に乗せた。キャリーケースのファスナーを少し開けると、早速顔を出して車内を見まわした。 私たちの他には誰もいない待合室で…

あと二日の命

仕事を休んで、うにのそばで過ごす うにの旅立ちを見送る覚悟をした翌日、仕事に向かう電車の中で、私はどうやって明日の仕事を休むかばかりを考えていた。 ペットの安楽死に立ち会うというのは、仕事を休む正当な理由になるのだろうか。なるような気もする…

つらい決断

傷の悪化 うにが引っ搔かないよう、柔らかいエリザベスカラーをつけていても、いよいよ患部の膿と出血は止まらなくなった。私の古いシャツを切って布製のカラーの周りに巻き付けているのに、数時間でカラーが濡れてしまうほどの浸出液が出て、悪臭もする。私…

ガンの悪化

しこりが大きくなる 10月も半ばを過ぎると、うにのガンはかなり大きくなってきた。顎の下なので、顔の表面から見るとわかりにくいが、まるで人間の額にできるたんこぶのように丸く腫れている。その部分は皮膚も薄いのか、ちょっとしたことで傷つき、出血して…

遅い夏休み

夏休みの行き先を決める うにの癌の2度目の再発にかなり落ち込んだが、先日の診察と検査の結果、とりあえず転移はしていないようだった。気付けば、もう9月も半ばに差し掛かろうとしている。 テシエ先生に相談した結果、一週間程度なら、うにを娘に預けて出…

全身の検査

またしこりが大きくなってくる 8月末の食欲不振から約2週間。 前回の診察の後で盛大に吐き、その後も丸一日元気がなくてとても心配したが、それからは少しずつ元気を取り戻し、以来うにの状態は比較的落ち着いている。ただ、また体調を崩すのではないかと心…

癌がまた再発して

辛い治療も効果がなかった うにがほとんど食事をしなくなり、私もかなり不安になって、テシエ先生の休暇中ではあったが同じ診療所の先生に診ていただくことにした。 食欲不振だけではない。 口の右下と首の間に、またしても米粒より少し大きいぐらいの固いし…

つかの間の平和から一転、またしこりを発見

食欲がもどったうに 二度目の抗がん剤治療後、すっかり元気をなくしてしまったうに。 私は病院に対する不信感を抱くようになり、かかりつけのテシエ先生の診察を受けさせることにした。すると、やはり抗がん剤の副作用ということだった。抗がん剤をきっかけ…

二度目の抗がん剤

二度目の抗がん剤治療のため入院 最初の抗がん剤治療から三週間後、二度目を行うことになり、病院で血液検査をしてから一泊の入院になった。 その日は血液検査の機械が不調だというので、うにの結果はなかなか知らされなかった。そのころ、病院のコロナ対策…

放射線治療の再開と初めての抗がん剤

放射線治療の再開 二度目の手術を終えて退院したうににゆっくり休んでもらいたかったけれど、獣医さんからは、癌に先手を打つべく、できるだけ早く治療を再開するよう勧められていた。そこで、手術から2週間後に診察を受け、放射線治療を再開することになっ…

二度目の手術

癌の再発 放射線治療開始からわずか一週間で、癌の再発がわかってしまった。 検査の結果を報告するための電話で、獣医さんはすぐに再手術を提案してきた。できるだけ早く手術をし、その約2週間後、傷が落ち着いたらすぐにでも放射線治療を再開、抗がん剤治…

癌の再発

放射線治療、最初の週が過ぎて フランス各地でのコロナウイルス感染が拡大し、ロックダウンになって約2か月。飲食店は閉まっているものの、商店などの営業は徐々に再開し、外に出る人たちもだんだん増えつつあった。そんな状況下でうにの放射線治療を始めて…

放射線治療の始まり

治療を受けさせる決断をして 大きな病院での検査の結果、放射線治療と抗がん剤療法を勧められたものの、その場では決断できなかったので帰宅してもう一度考えることにした。 とはいえ、すでに私の中では、このまま何もしないという選択肢はなかった。 うには…

大きな病院で診察を受ける

病院での診察 近所の獣医さんでの手術から約3週間、放射線治療のため紹介された病院に、初めてうにを連れて行った。夫は仕事が入ってしまったのに、半日休みを取り、車を出してくれた。 まだ人々の移動が活発ではないためか、高速道路は空いていて、30分もか…

放射線治療とこれからについて悩む

放射線治療をどうする? 放射線治療を受けられる病院を地図で調べてみると、高速道路を使っても、うちから車で30分ほどかかることがわかった。バスであれば3本乗り継いで1時間はかかる。治療は12回で1クールだと聞いた。今は仕事をしていないので頑張れば通…

癌の宣告

うにの抜糸 手術からちょうど二週間が過ぎて、抜糸をする日になった。 その間、私は相変わらず仕事も休みで、ゆっくり時間をかけて料理や家の片づけをしながらうにの回復を見守ることができた。術後一週間で抗生物質をやめてから便も正常に戻ってきたので、…

抜糸までの様子

食欲が戻った! 手術の翌日に初めての食事を与えたとき、食欲はあるのに、柔らかいパテ状のエサでさえ食べ辛そうにしているうにの姿は痛々しかった。 手術は顎の右下と口内の二か所から切ったといい、口内の縫合部は自然に溶ける糸なので抜糸の必要はないそ…

手術の翌日

食欲が戻ってきたうに 手術当日の夜から、食欲は少しずつ出てきていたようだが、口の中の傷への影響を考えて食事は与えずにいた。 翌朝になると、お腹が空いて、鳴いてご飯を催促するほどになったので、パテ状のエサを少しずつあげてみることにした。普段は…

いよいよ手術

手術を受けたうに うにの手術の前日は、なんだか自分のことのようで落ち着かず、よく眠れなかった。 寝不足で頭がぼおっとするのだが、再び眠ることもできずに起きてくると、お腹を空かせたうにのアピールがすごい。昨夜から何も食べていないのだから当然だ…

獣医さんの診察

いつもと変わらないうに うにのしこりを発見した次の日の朝、早速獣医さんに電話する。 予防接種はもちろんのこと、度々かかる結膜炎や食欲不振、尿検査などでいつもお世話になっている、かかりつけのお医者さんだ。 ただいつもと違うのは、新型コロナウイル…

うにの病気に気づいた日

うにの顎のしこり そのしこりに最初に気が付いたのは、夫だった。 2020年4月13日はイースターの月曜日。新型コロナウイルスの感染拡大で、フランスは3月から最初のロックダウンに入っていた。そのために外出禁止が続き、みんなが家にいる毎日。だから祭日だ…

いやな予感

うにの健康診断 また冬が来て年が明け、2020年になった。あと3か月で、娘がうにをもらってきてから二年になる。 娘の方は、相変わらず学校が忙しいようだ。それでも息抜きにと、くろちゃんと遊ぶ写真やビデオが時々送られてくる。みんな元気で仲良くやってい…

うには優しい猫

うにと新入りの子猫 うにが正式にうちの猫になってから半年が過ぎたころ、うにを手放して寂しがっていた娘も、真っ黒なオスの子猫「ジジ」(くろちゃん)と暮らし始めていた。そして春の学校の休暇に、初めてくろちゃんをうちに連れてくることになった。 くろ…

うちの子になったうに

帰ってきたうに ずいぶん前からあれこれと計画し、楽しみにしていた10月の東京への里帰りはあっという間に終わり、私はまたパリに戻ってきた。約半年に一度の東京滞在は、毎回私にとって最大のイベントである。以前はほぼ毎年の里帰りだったけれど、どんどん…

うにちゃんを私にください

娘の新居 娘がシンガポールに行っている間に、今度はルームメイトが長期の海外留学に出発するためアパートから出ていくことになった。そこで、これまでの住まいは賃貸契約を解除することにした。となると当然新しい住まいを見つけなくてはならない。学生がた…

「うに」になった猫

猫の鳴き声のいろいろ 猫といえば、「にゃーん」とかわいく鳴いているイメージがあったのだが、実際には、それほどしょっちゅう鳴くわけではないみたいだ。この猫も、日中は寝ていることが多いし、それ以外も気配をすっかり消してしまっていて、探してもどこ…

猫っておもしろい

猫との暮らしは新鮮 我が家に着いて数時間は警戒態勢だった猫も、トイレで用を足し、台所で食事をして落ち着いたのか、少しずつアパートの各部屋を探索し始めた。それでも、しばらくはまるで「借りてきた猫」状態で、気づけばさりげなく娘の近くにいて、彼女…

うにとの出会い

娘がもらった保護猫 「ねえママ、私、猫をもらいたいんだけど。」 フランス北部、ヴァランシエンヌの大学近くでルームメイトと暮らしている娘が、私に電話してくるなり、そう切り出した。 それは、2018年の3月のことだった。 娘はその前の年の9月に大学に入…