猫との田舎暮らしをめざして

今年は都会を脱出!

うにと私の953日

うにがいなくなってもうすぐ2年

 

2020年の12月4日にうにが亡くなって、もうすぐ2年が経とうとしています。

今でも、毎日のようにうにを思い出します。猫に関しては全くの初心者であった私にとっては、賢いうにに教えてもらうばかりの日々でした。

うにの闘病に関しては、メモ書きのようにして経過を記録していました。当時はセカンドオピニオンを受けることを検討していたのもあり、それが必要になると思っていました。また、癌の治療に関わる検査結果、薬の処方箋、病院の領収書なども、ほぼすべて保存していました。ですが、今回文章にまとめたのを機会に、思い切って処分することにしました。

たくさんの治療を受けさせたのがよかったのかどうか、色々と思い返してしまうのですが、時間を巻き戻すことはできません。

それでも今、私の心に一番強く残っているのは、初めて獣医さんに行ったとき、びっくりするほど凶暴だったうにが、どんどん治療に協力的になり、獣医さんや看護師さん、職員の方々にとてもかわいがっていただいたことです。そんなうにのおかげで、私も頑張って病院通いをすることができました。

うに、ほんとにえらかったね、ありがとう! と言いたいです。

 

うにと過ごした日々

 

953日。思いがけないうにとの出会いから、別れまでに過ぎた時間です。

それは一日一日が同じ密度ではありませんでした。うには過剰にベタベタされるのを嫌い、こちらに寄ってこようともしないことがよくあったので、毎日が淡々と過ぎていた時期もあります。でも、病気が発見されてからは、色々な治療のためにうにと過ごす時間が増えました。そして、賢いうには、何とか病気を治してあげたいという、私の至らぬ努力を察してくれていたと思います。いつも一緒に通院して、大変な治療を頑張ってくれたうに。だから皮肉なことですが、病気がうにと私の距離を縮めたといえるかもしれません。

病気になる前でも、うにが我が家に来てからというもの、家に帰れば「うにちゃん、ただいま。」と、まず声をかけるのが習慣になっていました。思ったような反応が返ってこなくても、うにがいてくれるだけで幸せでした。毎日うにに話しかけていると、この歳になって、新しい親友ができたような気がして嬉しかったです。同じ言葉で語り合うことはできないけれど、時々、中に人間が入っているのではないかと錯覚するほど、雄弁だったうにの表情。日中嫌なことがあっても、夜、私のお腹の上で寝ているうにののんきな顔を見れば、「大丈夫、大丈夫。そんなの大したことないよ」、と言われている気がしました。うにが近くにいるということが、私にいつも元気を与えてくれていたのだと改めて実感しています。

うにの病気に初めて気づいたとき、私の不安を察したように膝に乗ってきてくれたこと。

病気がいよいよ悪化する前、短いバカンスから帰ってきた時に、さりげなく私の隣に来て、「おかえり」とでも言うように体を寄せてきてくれたこと。

最後の日々、ずっと私のそばを離れずに一緒にいてくれたこと。

言葉で話す代わりに、身体を寄り添わせて気持ちを伝えてくれたうに。むしろ言葉で表現するより、うにのぬくもりと優しさをじかに感じられたように思います。

そんなうにからのメッセージを、私はこれからもずっと忘れないでしょう。

 

うにからのメッセージ

 

それにしても、うにはきれいさっぱり気配を消して、私の前からいなくなってしまいました。長寿猫と言われるまで長生きしてほしかったと今でも思うけれど、毎日を頑張って生きたから、えらかったねと褒めてあげるべきなのでしょう。うには私にとって唯一の存在で、うにの代わりになる猫はいません。でも…。うにが亡くなってしばらくすると、厳しい寒さの中、外で見かける猫たちがそれまで以上に気になり始めました。

猫を飼ってみたい気持ちが大きくなっていたのに、あと一歩が踏み出せずにいた私のところに来てくれたうに。そんなうにが作ってくれた居場所を、なくしてはいけないのではないか、と思うようになりました。できれば、何頭でも来てもらいたいけど、我が家のスペースや経済的事情を考えると、やっぱり多頭飼いは無理です。それでも、全く受け入れる場所がないよりはましです。

「ここのうちには、ちょっと大げさでうるさいオバさんと、やたら大雑把で空気が読めないオジさんがいるけど、あったかい寝床と一応ちゃんとしたごはんがあるよ。困っているんなら、おいで。居場所があるよ。」

うにもそう言っているような気がしました。

だから、住むところがなくて困っていて、我が家に来てあげてもいいよ、という猫がいたら歓迎したいと思いました。うにがいた場所。うにが明け渡してくれた場所。ご縁があったら、そこにいつかまた誰かを迎えいれ、その子とも友達になれたら嬉しいと思いました。

そして新たな出会い

 

今我が家には、新しい住人(住猫)がいます。

前の飼い主に捨てられてしまった、5歳の男の子。

どんな経緯があったのか、とても臆病で、怖がりが嵩じて攻撃的な態度を取ることもあり、まだまだ猫初心者の私にとっては、なかなか手ごわい相手です。それでも、少しずつ仲良くなってきました。いまではコツン、コツンと頭突きをして、私に甘えてくるようにもなりました。

幸い、今のところお互い元気なので、これから時間をかけて、付き合っていきたいです。彼もまた、私に色々なことを教えてくれるでしょう。

機会があれば、この子との物語も書き留めてみたいです。

 

うにちゃん、猫の天国で元気にしているかなあ?